※ふたりの目的がエロ。
渡る世間は鬼ばかり
よくわかんないけどお互いいっぱいいっぱいだった、としか言いようがない。昨夜の電話でちょっといい雰囲気になってしまってむらっとしたのはお互いで、さすがにテレホンセックスなんてもつれ込むのは何となく抵抗があって名残惜しく電話を切って無理に寝たけど、朝、こうして顔を合わせると何となく顔がひきつる。仁王も同じような表情だ。だけど幸村くんに会ってしまったから朝練をサボるというわけにもいかなくて、もやもやとした気分でテニスをした。
「……仁王」
こんなときに重なる偶然で更衣室に残るのはふたり、こっちを見た仁王の目もちょっとおかしい。どちらからともなく近づいて、もじもじとしてそばに立つ。ああ、なんかちょっと、変だ。頭おかしくなりそう。そっと手を取ればもうムラムラとした気持ちは押さえきれなくて、目を閉じる間もなく勢いだけでキスをした。仁王の腕が後ろに回って首を支える。じらす余裕なんてなくて舌を絡めて、ぬるりとお互いを攻めた。何でだろう、久しぶりってわけでもないのに超気持ちよくて、崩れ落ちそうになる。
もう授業だなんだなんて他のことは頭になくて、ぎゅっと仁王のシャツを掴んでキスを続けた。俺の頭を抱いた仁王の手にも、離す意思なんてない。仁王の唾液が流れ込んできて、それを飲んだ自分はちょっとおかしいな、と思う。別にたまってるわけじゃないのに今すぐしたい。仁王の手が下がっていって尻を撫でた。それだけでぞくぞくと快感が走る。「にお……」
「ハァ……もうここでええ?」
「うんッ、ん」手がやわやわと尻を触る。そんなもどかしい触れ方じゃ全然足りなくて、責めるつもりで唇を噛んだ。濡らして、仁王の指が口に割り込んでくる。その指先を吸って、もじもじと膝をすりあわせた。なんか今日、やばい。ぎらぎらした仁王の目がこっちを見てるのに興奮する。
「もう、」
「まだ残ってんの?」飛び込んできた声に驚いて仁王の指を噛んでしまった。顔を歪めた仁王の向こうを恐る恐る見ると、我らが部長が腕を組んで立っている。
「鍵返し忘れたと思ったら。ちゃんと授業行って、することしてからにしなよ」
「ゆ……幸村くん……」
「はいはい出ていく!部室でやったら許さないからね」最後の許さないからね、が怖すぎて、慌てて部室を飛び出した。鍵をかけた後幸村くんも後ろをついてくるから、結局教室についてしまう。やばいんだけど、俺軽く立ってるし。仁王を盗み見ると涼しい顔はしてるけど、下半身はなんとなく俺と同じっぽい。すぐに担任が来てしまって、仁王のシャツを引いた。
「……なに?」
「授業中にイったりすんなよ。俺があとでしてやる」
「……ブンちゃんこそ」じりじりとした気持ちのまま受けた数学は最悪で、休み時間までもつれ込んでギリギリで終わったせいで便所に駆け込む暇もなく次の英語が始まった。ちらりと仁王を見るとちょっとぐったりした感じで頭を垂れている。ポケットでサイレントに設定してる携帯が光ったのが見えて、開いてみると仁王からのメールだ。
『パンツ何色?』
……くだらない。くだらなさすぎる。なのになぜか心臓がはねて、どきどきしながらちょっと腰元を下げてみた。今日は青いトランクス、昨日からもやもやしてたから仁王とセックスするつもりではいた新しめのやつ。バカ、と返せばいいのに正直に返事を返せば、さっさと脱がしてやりたい、なんて返ってきてちょっと股間が反応したのがわかる。俺今なら強姦まがいの乱暴なセックスでも受け入れられる気がする。やばいな。
『脱がして何してくれんの』
『してほしいことしたるよ。奥まで舌突っ込んで中舐めたる』
『妄想だけでイくんじゃねえぞ』
『ブン太こそ。エロい顔しとる。バレても知らんよ』
『漏らしてんなよ』
『ブン太にぶっかけるためにとっとく』あっ、やっべ。言葉責めっつか、ムラムラしてきた。仁王を見るとにやにやしてこっちを振り返っている。ばか、キモい。たまらなくなって保健室行く?って送ったメールには、先生休みで開いてない、と返ってくる。返事が早い。保健室が開いてないなら言い訳には使えないから教室は出れない。ふたりでそろって便所って行けないし。時間割を見たら次は体育だ。今はテニスだからサボったら確実にバレる。静かにしてたらちょっと落ち着いてきたけど、放課後まで我慢しなきゃなんないのかと思うとうんざりする。触りたい、触られたい。
体育前に仁王と目を開わせたけど周りの友人に連れて行かれるように更衣室に向かっていった。……とりあえず、俺はトイレで着替えよう。なんで体育でまでテニスしなきゃなんねーんだ。体重いし。頭の中はセックスのことしかない。お手本として仁王と前でやらされるけど、こんなフォーム見られたら真田の鉄拳だけじゃすまないだろうな。横で握り方から教えてやってる仁王の体操服から覗く鎖骨に噛みつきたい、とか思いながらじゃ、当然だけど。伸ばした髪が汗で首筋に貼りついているのとかがたまんなくて、疲れるほど動いたわけじゃないのに呼吸が早い。
1時間こなすともういっぱいいっぱいで、終わったときには仁王とラケットの入ったカートを押して倉庫に走った。片づけもそこそこに抱き合ってキスからやりなおす。舌を吸いながら仁王の手が服の下に入り込むのにぞくりとして、いつもの余裕はない手がすぐに下着の下に入ってそれを握る。「あっ……あ〜ッ」
「……おっさんみたいな声出さんとって」
「気持ちい……」仁王の手は止まらない。かがんで胸を吸う仁王の頭を抱いて耳に噛みつく。ぶるっと震えた体に嬉しくなってそのまま耳を舐めた。わざとチュク、と音が鳴るように舐めてやって舌を入れて、仁王の首筋に鳥肌が立ったのを見てまた歯を立てる。同じように乳首いじられて握った先をぐりぐりと押されて、一瞬で高められていく。
「ふあっ、ぁ、そっ……」
「ここ、じゃろ」
「ぅ、あんッ、あ――ッ!」
「ハァ……」頭の中は真っ白で、イった、と気づいた後で、埃っぽさが急に鼻につく。すっげえ早かった。俺の体操服で手を拭って、息を荒くしている仁王の股間をそっと撫でてやる。ぴくんと震えたときの顔がちょっとかわいい。下から覗きこんでやってどうする、と聞く。
「めんどくせえからぶっかけはなし」
「舐めて」ハーフパンツのひもを引く仁王を見ながら、かたくなってるものを指先だけで擦って唇を舐めた。フェラはしんどいけど結構好き。仁王を俺の手の上で踊らせる快感。待ち望んでご対面、となろうとした瞬間、
「何やってんすか!」
「げっ……」
「嘘だろ……」閉める間は惜しかったけどそれでも少しは閉めたはずのドア、開けた音なんて聞こえなかった。顔をしかめた赤也はそれでも真っ赤だ。体操服なのを見ると次体育なのか。
「ば、バカですかあんたら!こんなとこで!」
「バカはテメーだ、いいとこなんだから邪魔すんな」
「バカ!人来ますって!」振り返った赤也がほら!と慌てて、とりあえずハーフパンツだけ上げてドアの隙間から飛び出す。自分の精液でべたべただから着替えに走ると更衣室前で体育委員がしびれを切らせて待っていた。畜生邪魔ばっか!体育委員に急かされるまま仁王は手も洗えず4時間目の国語に出た。俺は一回出したけど仁王はもうやばいっぽい。目がすわってきてる。すっげーむちゃくちゃされそう、思うとちょっとぞくっとした。やばい、俺ってちょっと変態なのかな。
騒がしい昼休みはどこにもセックスできるような場所はなくて、やばいから、と別々に昼を食べた。今日はあと社会だけ。パンツ汚れてて気持ち悪い。部活はどうしよう。行かないと怖いけどとても行ける状態じゃない。仁王を見ると目が合って、こっそり指をさしてくる。その指先をたどってポケットの携帯を見るとまたメールだ。
『部活行かんと帰る』
『俺は?』
『ふたりでサボったらやばい』
『オナニーすんなよ』
『鬼か』遠目にも仁王が熱っぽい息を吐いているのがわかる。それを見てたらなんかまた興奮してきちゃって、俺も部活なんか無理だ。 掃除まできっちりこなして、さようならをした後は帰ろうとする仁王を捕まえてトイレに引きずり込んだ。掃除のあとでもきれいとは言えないのが少し気になったけど、個室で仁王と抱き合ってキスをする。荒い呼吸を隠すようなキスをしながら、焦る手がネクタイを解いて脱がしていく。まだ廊下はざわめいて、トイレにも何人かが来て用を足していった。
ベルトを払って仁王のものを露わにし、仁王は立たせて前を広げる。洋式便器に腰掛けて、目の前にさらされた仁王に思わず喉を鳴らした。もうガッチガチじゃねえか、先っぽ濡れてるし。仁王の指が唇をこじ開けてそれを押し込んでくる。「ぁ、ん……」
「あっ……は、やっべ……」
「ん、あん、んー」
「……遊んでないではよして」
「へへ、出したい?」
「うん……はぁ……」
「……えっろ」かわいそうに。朝からずっと我慢してたんだもんな。ぴくぴく震える仁王のものを奥までくわえて先端は舌で責める。下のたまにも手を伸ばすと仁王は俺の頭を掴んだ。そのまま腰を動かすから、口を犯されてるみたいでぞくぞくする。自分のも取り出して触りながら続けて、仁王がぴくっと止まったのでわかって仁王だけに集中した。
「んっ、ん……」
先端を強く吸って刺激を続けると頭を掴む手が強くなって、ぐいと抜かれたと思うと顔に熱いものがかかった。畜生、どうやって帰るんだよ。思いながらも興奮を隠せない自分に呆れてしまう。手で拭って舐めるとまだ息の荒い仁王がにやにやしながら見下ろしてきた。
「ええ眺めじゃ」
「悪趣味」
「立って。お返し」今度は仁王が便器に座って、さっさとズボンを脱がされる。舐めながら熱を集めた俺のにはキスを送っただけで、すぐに後ろを向かされて尻を突き出す格好になった。
「ヒクヒクしとる」
「早くッ……」
「えっちな体やね。変態さん」
「違っ、あ、あっ!」ぐいと開かれてさらされて、ひだを伸ばすように舌が這う。ぺちゃぺちゃと舐めるだけのもどかしい動きに腰をよじらせているとがっしりと掴まれた。そのうちふやけた穴に舌先がねじ込まれる。そこから走る快感があっという間に頭をバカにしていく。
「あっ、うあ、にお、ッ……ふぁ……」
「しっかり立っとれよ」
「ア、や、しゃべっ……ン!あっ、も……やだ、入れて……」
「痛いよ?」
「いや……」
「慣らさんと」
「ふえ、はっ、はっ、あん!」指が入ってくる。細い、長い、仁王の指。ぎゅっとしめつけると仁王は笑って尻に噛みついた。軽い刺激でも足は震え、体は喜ぶ。開きっぱなしの口から涎がこぼれた。やばい、今日なんか、ほんとに。本数は増やすけど奥には入れてくれなくてもどかしい。
「どこやったかのう」
「にお、におうッ!もう、ゃ、やだぁ」
「何?ちゃんと言って」
「ぅ、あんっ!あっ、ああ、そ、んなッ、」
「んー?」
「あっ、もう、やだ、いじわる……!」
「ココ?」
「ああっ!あ、ふ、はあ、あっ……ッん!」乱暴に奥まで指が押し込まれて、バラバラにうごめく。壁に手をついて、尻を持ち上げて、おまけに顔中に精液かぶって……
「ひあっ!」
「前がお留守やったな」
「や、う、におー!」
「エロい体。大好き」
「や、だっ、んん、ん、あっ!」
「なあ、そんなに気持ちええの」
「き、気持ち、ン、あっ」
「……なあ、教えて」前も抜かれて後ろも止まることはなくて、背中を流れる汗にすら感じる。ほんとにダメだ、もう、
「き……気持ちいい、ふ、ああっ!」
「おっと……はは、イきそうやの。大丈夫?」
「入れて……におう、の」
「ん」仁王が立ち上がって腰を抱く。期待に震える俺を抱きしめて首を舐めて、笑ってはいるけど呼吸に余裕がない。肉を割って先端が押し込まれて、ふるりと鳥肌が立った。
「にお、後ろから、あっ――」
さっと仁王の手に口をふさがれた。……大きな声が近づいてくる。げらげらと笑う声は廊下に沿ってやってきて、トイレに入って来やがった。さいっあく!この声は多分隣のクラスの問題児で、ドアの閉まった個室が気になったのかふざけてもしもーし、なんてノックしてくる。ふざけんな!誰ですか〜なんつってバカはガタガタと戸を揺らしてきた。どっか行け!
登っちゃおう、なんて不吉な言葉にさっと血の気が引き、先が入っただけだった仁王のものがズッと引かれた。ああ、この悲しい喪失感!お互い限界だけど今開けられたらこれはヤバい。ズボンを直して俺をドアの影になる位置に立たせ、仁王がドアを開けた瞬間、――ザバッ!
ガランとバケツが転がって、あー惜しい!なんてゲラゲラ笑う声が耳障りだ。なんだよ仁王かよ、うんこ?つっかかってきたアホを適当になだめながら、仁王はそいつとトイレを出ていく。……髪から滴る水を見ながら、俺の思考は完全に停止していた。髪にかかっていた仁王の精液が水と一緒に落ちていく。ぐっしょりと濡れた制服は重い。
好きな人とセックスしたいだけだってのに、どうしてこんなに邪魔が入るのだろう。しばらく立ち尽くしていると仁王が戻ってくる。前髪をかき上げて見上げると、なんとも言い難い顔をしていた。困ったような、でも笑っているのは、俺の濡れたシャツを見てるからだ。どっちが変態だか聞いてやろうかと思ったがわずらわしい。「続き」
「や、ここヤバい。誰か声聞いとったみたいで、先生来るって」
「だーッ、クソ!水くせぇし!」
「シャワー室行こか。部活終わる前にちゃちゃっと済まそ」
「マジありえねー」仁王に手を引かれ、きょろきょろしながら廊下を抜ける。このまま帰った方がいい気もしたけど、今日はどっちの家も使えない。だからセックスしなきゃ帰れない!
誰にも見つからないようにシャワー室に入り込んで、一番奥の個室に入るなり仁王が水を出した。せっかく濡れてなかった仁王もびしょ濡れになりながら、噛みつくようなキスを受けてしがみつく。もう仁王にも俺にも余裕がない。
力の入らない指先でズボンを下げると、俺の尻を掴んで足を持ち上げて、仁王の熱が押し入ってくる。ゆっくり入ってきたと思えば最後に突き上げられ、声を上げるとシャワー室に響いた。片足を更に持ち上げられてより深く入ってくる。壁に背中を押しつけられて、仁王だけを頼りにしがみつく手に力をこめた。濡れたシャツ越しに乳首に歯を立てられてどうしようもなく感じる。濡れ髪の仁王が色っぽくてやばい。「動くよ」
「早く!」
「ん」
「ひぁ、あっ、ああ、んっ!」
「キッツ……」突き上げられるたびに背中が痛い。だけど今はそんなことを気にしてる余裕がない。仁王のことで頭がいっぱいだ。
「ふぁ、あッ、ん……あっ、はぁっ、俺、ん」
「何?」
「あッ……ん、仁王で、いっぱいっ……」
「ッ……ったく……」
「あんっ!や、あっ、やだ、そっち……んあっ」
「はあッ……あー……」耳に熱い息がかかってぎゅっと力を込めた。気持ちいい。キスをされて呼吸さえ怪しくなる。それでも今は、何だって。ばたばたと仁王を叩く水さえ愛しい。
「ごめん、ブン太、……俺、もう」
「う、んッ、早いっ」
「ごめんって」
「あっ、あ――いやッ、んんっ!」前も抜かれて仁王をしめつけてしまった。仁王が低くうなった後、熱いものが体の中で広がるのがわかって、ぎゅっと握られた俺もほとんど同時にイった。ズルッと仁王のものが抜けていって精液が水と流れていく。肩で息をしながらぐったりと重い体を仁王に預けた。ちゅ、ちゅ、と水滴を吸い取るように頬や首にキスがあって気持ちいい。手を下ろしてそれを握り、最後まで吐き出させてやる。
「あー……」
「なんか疲れたのう……」
「だな……つか今日めちゃくちゃ早くね……」
「ブン太もな」
「だってちょー気持ちよかった……ん」キスをしながら仁王が服を脱がしていく。順番逆だな、なんて。親にどう言い訳しようかな、シャツはともかくズボンまでぐっしょりだ。汚れたし。
「……なあ、仁王」
「や、ごめん……」腹に当たる仁王はまたかたさを持ち始めている。だってブン太が色っぽいから、なんて言い訳されても、俺はもうかなり疲れた。してもいいけどまた立ったまま、ってのはしんどい。
「……我慢しろよ」
「ッ、〜〜〜……ブンちゃん」睨んでくる仁王を無視して、我慢しろと言いながら手のひらで先を撫でてやる。イイ子イイ子するみたいに。俺だけのカワイイ子ってのは間違いないしね。やべーコイツにチューしてやりたくなった。でも今日はフェラしてやったしな。こんなにがっついたセックスしたのは久しぶりで、まだ気分は盛り上がったままだ。どうしよう。 濡れた髪をかきあげる。するすると腰を撫でた手がおりていき、仁王の精液を含んだままの穴に指が入った。
「こら」
「ちゃんと処理したるって」
「ん……」あーやべえ、もっかいしちゃうかな。気持ちよさに目を閉じて仁王に体を任せる。ゆるゆると快感を追って息を吐く。
「部活もサボって何をしている」
……シャワー出しっぱなしで気づかなかったようだ。仁王の肩越しに見るのは、こけしのような柳の顔。仁王も振り返って、あれま、と間の抜けた声を出した。じっと俺たちの様子を眺めた後、柳は溜息をついた。
「精市に朝の話を聞いたからこんなことだろうと思っていたが、全く、呆れたな」
「もうちょっと待っとって」
「ふざけるな。……着替える時間はやる、すぐにコートへ来い」
「げっ、勘弁しろよ!」
「……何なら教師を呼ぶが?」さいっあく!柳が行ってしまった後、仕方なくぐっしょり濡れた制服を絞って無理やり着た。冷静になってみればバカだとしか思えない。つーか換えのパンツなんかねえし。
「最悪……」
「……ブン太のせいじゃ」
「はあ?テメーだろうが!」
「いーや、昨日の夜から盛っとったのはブン太じゃ」
「ふっざけんなよテメー!」
「朝からギラギラしとったのはどっちよ」
「お前だろうが」
「あんなにがっついとってよう言うわ」
「バカかテメー、発情してんの丸わかりのツラでふらふらしてたのお前だろ」
「絶対ブン太」
「いーや、仁王だね」
「さっさとしろ」静かだけどよく通る柳の声に口を閉じる。ちくしょう、俺のせいにしようたってそうはいかねえからな。こいつのこーいうとこがムカつく!都合のいい方にばっかり逃げやがって。濡れた髪を後ろに撫でつけて部室に向かい、ジャージに着替える。……パンツは迷ったけど、はいたままだとジャージが濡れるだけだから結局ノーパン。仁王も一緒。ひもをぎっちり結んでおく。
コートの端に立たされて、ふざけて遊んでいたとの柳の説明を鵜呑みにした真田がふんぞり返って怒鳴り散らした。あ、唾飛ばしやがった。長い話を適当に聞き流していると、ケツの辺りがくすぐったい。これは方向的に、仁王……ちらりと見れば黒目だけがこっちを見た。このやろ、涼しい顔しやがって。
するすると撫でさすっておまけにアナを上から探してくる。サイッテー、事故ればいいのに。イラついてるのにそのイラつきのせいでまた変な気分になってきた。どうするつもりだこのやろう。さっさと話終わんねえかな、無理でも何でもいいから仁王んち押し掛けてセックスしよう。ごちゃごちゃ思ってたら仁王の手と一緒に尻を叩かれた。「ぎっ……」
「まじめに聞きたまえ!」
「テッメ、やぎゅ……」力が抜けて思わず座り込む。このやろ、よけいなことしやがって!
「つか俺まで叩くなよ!ちょっかいかけてきてんのこいつだろ!?」
「同罪ですよ」
「お前らには反省が見えん!話をしても無駄なようだな、走ってこい!」
「バカかお前!」セックスした後で走れるかよ!思わず叫びそうになって唇を噛む。にやにやしながら仁王が見下ろしてきた。なんでテメーが笑ってんだよ!ほんっとに邪魔ばっか、仁王を好きになったばっかりに!
080623